終わらない英雄の記憶
私はみんなと別れ、自分の部屋、まあ物置のような部屋に向かった。



私が城探検中に見つけた隠れ部屋である。



フィンと同室なんて冗談じゃないと、私が不貞腐れていた時に見つけた。



私の荷物はほぼこの部屋に入っている。



扉をバタンと閉めると、すぐさま目の前にあるふかふかベッドに腰を下ろした。



「かーみー、ひまー」



『暇なら舞踏会にでも出て情報を集めるが良い』



「えー嫌だよー。だって私の顔を知っている人がいたら危ないじゃん」



私のこの言葉を最後に神の声は聞こえなくなった。



無視した。私のことを無視した。
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