終わらない英雄の記憶
「オカンっぷりが増えたよね…?」



『それはお前にだけだ』



腹黒オカン王子だ、腹黒!



「怖いね、オカンって」



神はそうだな、と呟いた。



今の主はフィンなんだ。



ならば、私は従うしかない。



「がんばれ、私……」



大きくて広い、私しかいない部屋に、独り言にしては大きい声が響いた。



「あっ!いっけない!!街に出かけるって言ってない!!」



ここにきた目的を思い出し、フィンのあとを追うように部屋を出た。



その時、空いていた窓に桜が部屋に入って行った。



それがなにか起こる前兆なのか、いやかはまだわからない。
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