終わらない英雄の記憶
「マリアっ…」


「サンダーさん」


街でとても人気がある大きな桜の木の下。


マリアと呼ばれた黒髪ロングの少女とサンダー王子が掛け合った。



人がたくさん集まっているため、サンダー王子だとバレることも少ない。



サンダー王子はマリアさんと手を繋いで街の外れに向かって歩き出した。



その様子から、随分前から深い関係だとわかる。



マリアさんがサンダー王子に送る視線は、恋焦がれる乙女の表情だった。



サンダー王子もまた、マリアさんに向ける表情は城の中では滅多に見られない穏やかな顔だった。



「なんだか、2人の邪魔しているみたい」
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