終わらない英雄の記憶
褒められることに慣れていないのか、横に座っているマリアさんがしどろもどろに動き、頬を紅潮させていた。



「断られても仕方がない。だけど、もう一度、もう一度だけでもいいから家族をやり直さないか?」



1度上げた頭を、また深く深く下げた。



「1度なんかじゃなくてもいい」



そう言ったサンダーが立ち上がる。



「家族を、やり直そうぜ。親父」



俺も立ち上がった。



母がいた時によく呼んでいた、懐かしい呼び方で。
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