終わらない英雄の記憶
こちらも懐かしい呼び名を囁いた。



あいつと俺は、主従関係だ。



あいつは俺のことを主としてしか見ていない。



なのにどうして、こんなにモヤモヤするのだろうか。



あいつの笑顔を見ただけで、心臓が高鳴り、胸が踊るようになる。



あいつの働く姿を見ただけで、いつ倒れるかとても心配する。



あいつと近づいただけで、あいつのいい香りが近寄ってドキドキする。



こんなの、初めてだ。



どうしてくれる。



お人好しのマディーくん。



俺は部屋に戻る道を、いそいそと歩き出した。
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