終わらない英雄の記憶
何だか家にいるとお母さんたちが側に居るようで、涙腺が緩む。



私は、ちゃんと帰ってきたんだ。



安心と、喜びが私を包み込んだ。



「ここでゆっくり出来るの?」



涙が止まったアニさんは、立ち上がり私を家の中に招いた。



「ううん、今日の夕方には戻らなくちゃ」



「この国に帰ってきたってことは、また……?」



「うん、ごめんなさい」



アニさんは私をギュッと抱きしめた。



「マディーが謝ることなんて何も無いじゃない。悪いのはマディーの力を利用しないと何も出来ない、この国よ」
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