終わらない英雄の記憶
更に力強く、私を抱きしめた。



私は1人じゃないんだ



お母さんも、お父さんも、アニさんも、ナダルさんも、タユさんも、フィンも。



「必ず帰ってくるのよっ」



大丈夫、だって私が帰ってこなきゃ、アニさんが孤独死しちゃうでしょ?



『さらっと酷い事言うよな』



別に神なんて無視。



アニさんは私から離れ、パンッと手を叩いた。



「よしっ、じゃあマディーの帰還を祈ってクッキーを食べましょ?」



焼きたてだから美味しいわよ、とアニさんはキッチンへと消えて行った。
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