終わらない英雄の記憶
私はリビングに佇んだ。



みんなで座った椅子に手を当てる。



懐かしい思い出が、私の脳内に浮かび出た。



「マディー、こっちに……」



アニさんは私に近づき、指で目元を触れた。



「今日はこっちで食べましょうか?姉さんたちも喜んでくれるわよ」



床にポトポトと、雨のように降る涙を私はやっと気づいた。



アニさんは、私の涙を拭ってくれたんだ。


「使命が終わったら、姉さんたちのお墓参りに行ってらっしゃい」



ありがとう、こんな私に優しく接してくれて。
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