終わらない英雄の記憶
他愛もない世間話をして、クッキーを食べる。



またクッキーに手を伸ばした時、私の手に赤い光が映った。



「あらあら、もう夕方ね?」



アニさんは右腕に付いている時計を確認し、ついでにと窓の外を眺めた。



「行かなきゃ。また今度来るね」



私は側に置いた太刀を持ち、立ち上がって言った。



「マディー」



私が扉を開けようとしたその時。



後ろを振り返ると、アニさんがラッピングしてくれたものを差し出してきた。
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