愛を、ください。
一章
きっと、また。
───また、だ。
「す、てないで…!」
「…。」
バンッ
車の閉まり、遠のいていくのを、ぼーっと眺めた。
捨てられるのはこれで何度目だろうか。
この山は何度も見たことがある。私が捨てられる時の場所。
季節は冬だ。毛布を掴んでたままでほうり出されたから少しはましだが、寒い。
そして、捨てられる時は決まって夜。もう、最悪だ。
…何処がいけなかったのだろう。家事も、洗濯も全部した。…暴力だって嫌な顔しないで受けたのに。
なんで捨てたの。
…人は怖い。そのくせに一人はもっと怖いという性格に自分でもめんどくさいと思う。
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