愛を、ください。
なんで、拾ったの。私なんかに優しくするの。
普通の子みたいに接しないで。
この優しさに慣れてしまえば、私はきっと傷つく。それなのに自分から手放すなんてできない臆病者。
バカみたい。
なんで涙が出るの。涙なんて私に必要ないのに。私なんかが泣いていいはずがないのに。
こんなことになるなら、いっそ殴ってほしかった。なにも考えられなくなるくらいに。
私の世界は一つでよかったのに。なんでこの人私の世界に入って壊そうとするの。新しい世界でなんか、生きられるわけないのに。
人は感情があるから傷つくのだから感情なんて消えればいい。
そう思ってた。いや、今もそう思っている。
なのに、この温かさが嬉しいと思ってしまう。
握られた手が。抱きしめられた体が。優しい声が。
どうしようもなく、ふわふわで暖かい。
この人を信じられそうに無いけど。どうせ裏切られるなら。
もう少し。ほんの少しだけ、甘えていたい。
これも全部、私のわがまま。