愛を、ください。
そう言うと、なにやら色んな治療器具の入ったバッグを取り出した。
藍を手招きすると、そろそろ、とゆっくりソファに座った。
バッグから視線を藍にむけた唯人の目は見開いていた。
「え…。藍?」
そう言った唯人はひどく驚いている様子で。
「え?藍のこと知ってんのか?」
「…あ。唯人、さん?」
「え。なんで藍も知ってんの?」
多分この中で一番びっくりしてるのは俺だ。全く話が理解できない。
「待って。状況が分からないんだけど。」
「いや、それは俺だっつーの。え、二人は知り合いなの?」
「いや、知り合いもなにも、同じ施設だったし。」