愛を、ください。



それもきっと、この数日で終わる。


私はこのまま死ぬだろう。誰にも見つからず、死ねる。


寂しい気もしたが、これで全てが終わると思うと、嬉しいと思う。



身体があちこち痛い。


爪は剥がされたし、服のしたは痣だらけ。きっと骨の2本や3本折れてる。刃物で切りつけられもした。


指とか、変な方向に曲げられたっけ。


…あれは痛かったな。


思い出すのは、嫌な思い出ばかりで。


こんなの、もう慣れているはずなのに頬は涙で湿っている。



人前では絶対に泣かなかった。これが初めてかも。泣いたらご主人様の機嫌を損ねてしまうと思っていたし、弱くなりそうで。



それでも、言ってみたかった。



「た、すけて…」


今まで、言いたくて仕方なかった言葉をつぶやいてみる。少し気が楽になった気がした。


そっと目を閉じる。もう開くこともないだろう。


…さよなら、私の人生。






< 3 / 57 >

この作品をシェア

pagetop