愛を、ください。
「よしよし、もう少し布団かぶって寝てて?」
そう言って、何処かに行こうとする高木さんの服を摘んだ。
「…どこ、いくの」
「ん、おかゆ作ってくるだけだよ」
高木さんはそういうけれど何処か遠くに行ってしまいそうで服をぎゅっと握る。
こんな我儘言って良いわけが無い。なのに離すことも出来なかった。
こんな事、今までなかったのに。
「…やだっ、やだ」
なんで涙が出るのかわからない。自分自身なにがしたいのかわからない。
「わかったわかった、寝るまでそばにいるから」
そう言って私を持ち上げて、もう一度布団に降ろした。
おでこに冷たいぷるぷるを乗せられて、怖かったけど、心地良い。
するとすぐに瞼が落ちて、眠くなった。
なんだか、ずっと泣いている気がして申し訳ないと思うと、また涙が込み上げてきた。