これからもずっとずっと
次の日の朝、玄関で熊谷先生と遭遇してしまった。
「あ、おはよー」
「おはようございます。」
「えっと…鳴海さん?だっけ?」
突然の一言に驚いた。
名前、覚えててくれたなんて。
「あ、はい。鳴海です。」
そう答えると、顔をクシャっとさせ、
「名前みたいな苗字だね!笑」
と、笑っていってきた。
「…よく言われます。」
と返すと、何を思ったのか、
「あ、今のやだった?」と訪ねてきた。
「いや、別に…」
「何さんってゆーの?下の名前!」
「…樹梨ですけど」
「うん、素敵な名前だ」
と、また顔をクシャっとさせ、子供のように笑った。
かわいい。
「ん?何かゆった?」
「え、い、いや!!」
「まあいいや。早く行かなきゃ予鈴なるよ?」
時計を見ると今にもチャイムがなりそうな時間。
「わっ、やば、じゃあ、失礼します!」