恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
『それでね、このあと陽妃さんも誘って、久し振りに飲みに行こうかって話になったんですけど』


でも、ここ2ヶ月ほど姿を見せなかったから、どうしているかと気になっていたところだった。


『どうですか、一杯だけでも』


「うん、行く」


『あ、それと、後からもうひとり合流する人がいるみたいなんですけど』


「そうなの?」


『はい。堀北さんの先輩だって』


「いいよ。堀北さんの知り合いなら」


変な人いないし。


堀北さんの同僚や友人には何度か会ったことがある。


類は友を呼ぶのか、みんな好印象の人ばかりなのだ。


堀北さんが連れて来る人に変な人はいない。


だから、嫌な予感はこれっぽっちもなかった。


「今まだ青山なんだけど、どこに行けばいい?」


『西麻布に出て来れます? 【garden】ていうバー、堀北さんが予約してくれたので。7時に』


「了解」


話し終えて携帯をバッグにしまった時、18時をとうに過ぎていた。


西麻布か。


あたしは駅に向かって歩き出した。
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