恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
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P.S 兄ィニィの住所です。
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〒 902―○○●●
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沖縄県那覇市○○○○1丁目
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マンションレゼール 508
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もうずっとずっと遠い記憶。
おばあが言っていた。
誰も運命には逆らえないって。
逆らうつもりはない。
潤一を失ったばかりのあたしに、そんな体力も気力も残っていなかったから。
あの頃に帰りたい、と美波ちゃんから手紙が届いたのは12月の始まりで、その3ヶ月前のあたしは廃人の一歩手前だった。
そんなあたしを救ってくれたのは、律子おばさんの厳しい言葉と。
意外な人物からの電話だった。
潤一の死から3日間のうちで口にしたものは、2杯のアイスコーヒーだけ。
仕事は休み続けて部屋に引きこもり、ほとんど動かなかった。
見れないようにテレビはコンセントを抜いて、日中はカーテンを閉め切り、夜は明かりも付けずに。
堀北さんと小春は心配して毎日メールや電話をくれたり、様子を見に来ては励ましてくれた。
もう潤一と会えないことは、ちゃんと頭では理解していた。
でも、そう簡単に気持ちを切り替えられるほど、あたしは強いわけじゃなかった。
P.S 兄ィニィの住所です。
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〒 902―○○●●
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沖縄県那覇市○○○○1丁目
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マンションレゼール 508
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もうずっとずっと遠い記憶。
おばあが言っていた。
誰も運命には逆らえないって。
逆らうつもりはない。
潤一を失ったばかりのあたしに、そんな体力も気力も残っていなかったから。
あの頃に帰りたい、と美波ちゃんから手紙が届いたのは12月の始まりで、その3ヶ月前のあたしは廃人の一歩手前だった。
そんなあたしを救ってくれたのは、律子おばさんの厳しい言葉と。
意外な人物からの電話だった。
潤一の死から3日間のうちで口にしたものは、2杯のアイスコーヒーだけ。
仕事は休み続けて部屋に引きこもり、ほとんど動かなかった。
見れないようにテレビはコンセントを抜いて、日中はカーテンを閉め切り、夜は明かりも付けずに。
堀北さんと小春は心配して毎日メールや電話をくれたり、様子を見に来ては励ましてくれた。
もう潤一と会えないことは、ちゃんと頭では理解していた。
でも、そう簡単に気持ちを切り替えられるほど、あたしは強いわけじゃなかった。