恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
「えっ?」
音がした方を見ると、カメラを構えた男が立っていた。
にへ、と微笑んだ男と目が合う。
どうやらシャッターを切られてしまったらしい。
見るからに怪しげ、というより、胡散臭い。
男は顔からカメラを離すと、
「ごめん。良い画だったから思わず1枚」
となれなれしく話し掛けながら近付いて来た。
「基本的に人物を撮るのは趣味じゃないんだけどねー」
一見、好青年風だけど、どう見ても怪し過ぎる。
「……撮りましたよね、今。撮ったよね?」
「うん。撮ったけど」
それが何か? 、とでも問いたげに首に下げた一眼レフのカメラを掲げて、ニヤリと笑う男は登山家のように大きなリュックを背負っていた。
12月だというのに、ダウンジャケットに膝丈のカーゴパンツとサンダル。
冬と夏が一緒にやって来たようなチンプンカンプンな格好をしている。
頭がオカシイ人かもしれない。
「やっぱり寒いね日本は。あ。当たり前か。12月だっけ」
12月にサンダルって。
この人には季節の感覚というものはないのだろうか。
音がした方を見ると、カメラを構えた男が立っていた。
にへ、と微笑んだ男と目が合う。
どうやらシャッターを切られてしまったらしい。
見るからに怪しげ、というより、胡散臭い。
男は顔からカメラを離すと、
「ごめん。良い画だったから思わず1枚」
となれなれしく話し掛けながら近付いて来た。
「基本的に人物を撮るのは趣味じゃないんだけどねー」
一見、好青年風だけど、どう見ても怪し過ぎる。
「……撮りましたよね、今。撮ったよね?」
「うん。撮ったけど」
それが何か? 、とでも問いたげに首に下げた一眼レフのカメラを掲げて、ニヤリと笑う男は登山家のように大きなリュックを背負っていた。
12月だというのに、ダウンジャケットに膝丈のカーゴパンツとサンダル。
冬と夏が一緒にやって来たようなチンプンカンプンな格好をしている。
頭がオカシイ人かもしれない。
「やっぱり寒いね日本は。あ。当たり前か。12月だっけ」
12月にサンダルって。
この人には季節の感覚というものはないのだろうか。