恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
未来への招待状
2012年、1月。
北海道。
毎日、しんしんと降り積もる雪。
気温は氷点下。
辺り一面は白銀の世界。
海斗が生まれた地は純白だった。
沖縄とはまるで正反対。
慣れない地での生活に戸惑いながら、それでも春のオープンに向けてトルテの立ち上げに必死の毎日。
スタッフ募集を呼びかけ、連日、面接を行った。
住み慣れない1DKのアパートでの暮らしと、面接だけでいっぱいいっぱいだったあたしに、律子おばさんは更なる仕事を与えた。
『内装とかディスプレイとか。あと看板メニューも。その土地に合ったものがいいわね』
「あたしが決めるの?」
『自分の力でって言ったの誰? それとも……』
「分かりました」
ひとつ片付くと、その頃を見計らったように律子おばさんは連絡してきて、次々に仕事を言いつけた。
でも、それはあたしにとって救いだった。
何かに没頭することで余計なことは考えずに済んだから。
ぼんやりする暇なんてない方がいい。
あたしは面接の合間を縫って札幌市内の人気カフェやレストランを巡り、様々な案を練った。
そして、着工が始まると、毎日現場に足を運び、業者に内装の案を伝えたり、食材のコストを抑えるため仕入業者との契約に歩き回った。
北海道。
毎日、しんしんと降り積もる雪。
気温は氷点下。
辺り一面は白銀の世界。
海斗が生まれた地は純白だった。
沖縄とはまるで正反対。
慣れない地での生活に戸惑いながら、それでも春のオープンに向けてトルテの立ち上げに必死の毎日。
スタッフ募集を呼びかけ、連日、面接を行った。
住み慣れない1DKのアパートでの暮らしと、面接だけでいっぱいいっぱいだったあたしに、律子おばさんは更なる仕事を与えた。
『内装とかディスプレイとか。あと看板メニューも。その土地に合ったものがいいわね』
「あたしが決めるの?」
『自分の力でって言ったの誰? それとも……』
「分かりました」
ひとつ片付くと、その頃を見計らったように律子おばさんは連絡してきて、次々に仕事を言いつけた。
でも、それはあたしにとって救いだった。
何かに没頭することで余計なことは考えずに済んだから。
ぼんやりする暇なんてない方がいい。
あたしは面接の合間を縫って札幌市内の人気カフェやレストランを巡り、様々な案を練った。
そして、着工が始まると、毎日現場に足を運び、業者に内装の案を伝えたり、食材のコストを抑えるため仕入業者との契約に歩き回った。