恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
間違った10年を生きてきたのだろうか。


確かに、宏子さんの言う通りだった。


信じて待ち続けても、何も変わらなかった。


部屋に入り、明かりをつけ、ファンヒーターにスイッチを入れる。


携帯を開くとメールが入っていた。


小春からだった。


ひと言、招待状は届きましたか、と入っていて、はっとしたあたしはバッグから1通の封書を引っ張り出した。


【須藤 陽妃 様】


【堀北 康大】


招待状って、これのことだろうか。


蛍光灯の真下で封を切った。


中には1枚の便箋と、確かにそれが同封されていた。






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須藤 へ
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元気でやっていますか?
僕は相変わらずです。


ついに昨年から取り組んできた一大プロジェクトが実現することになりました。

発起人は僕を含めた大学時代のフォトフリークサークルの仲間5人です。

忙しいと思うけど、7月に休みをとれませんか?

須藤には必ず出席して欲しいと思っています。

そしてこれが、君の前に進むきっかけとなってくれたらと思います。

僕は、君が必ず来てくれると信じています。

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        堀北
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