恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
「へ、へえ……どんなアナウンスだったの?」
「あのさっあのさあっ! ステキなアラシの時間になりますようにってさ」
すごいさあ、感動したばい、なんて、ふたりは無邪気にきゃらきゃらはしゃぐ。
そんなふたりを見ていたシゲさんは完全にドン引きだ。
「後ろの座席の子たちと仲良くなったんだよね! ラインも交換しちゃんだしさ」
「あん子たち、長崎から来よるっち言うてたちゃね」
「やさ。前の座席の子たちは大分からだって言っとったしさ」
「全国各地から来とうんやね」
「あ、あの……」
あたしは半分引きつりながら、盛り上がるふたりを指差した。
「黄色に赤……すごい格好してるね、ふたりとも」
「はっさ! なに言うか、姉ェネェよー」
と美波ちゃんがこれまた黄色のスーツケースをドンと足元に下ろして、得意気に笑った。
「知らんの?」
「へ?」
「メンバーにはそれぞれイメージカラーがあるんだしさ」
「イメージ、カラー?」
「やさ。ニノちゃんはキイルー、ショウくんはアカーなんだしさ」
カウンターの中に戻った宏子さんが「なるほどねー」と頷く。
そっか。
だから、ふたりともそれぞれのカラーを取り入れた奇抜な格好なのか。
にしても、この格好で沖縄から来たのだろうか。
「でさ、早速やしが、くりお願いさびら。あ、ケイちゃんのもね」
と美波ちゃんが自分とケイちゃんのスーツケースをあたしの方へずいっと滑らせる。
「コンサート終わったらまたここに戻って来るからさ」
「はいはい、確かに。お預かりします」
2台のスーツケースを受け取ると、ケイちゃんがぺこっとおじきをした。
「ご迷惑おかけするけん」
「全然迷惑じゃないよ、気にしないで」
「すみません」
ケイちゃんは親しみやすく、本当にいい子だった。
そのケイちゃんが意味深な発言をしたのは、美波ちゃんがトイレに行っている時だった。
「あのさっあのさあっ! ステキなアラシの時間になりますようにってさ」
すごいさあ、感動したばい、なんて、ふたりは無邪気にきゃらきゃらはしゃぐ。
そんなふたりを見ていたシゲさんは完全にドン引きだ。
「後ろの座席の子たちと仲良くなったんだよね! ラインも交換しちゃんだしさ」
「あん子たち、長崎から来よるっち言うてたちゃね」
「やさ。前の座席の子たちは大分からだって言っとったしさ」
「全国各地から来とうんやね」
「あ、あの……」
あたしは半分引きつりながら、盛り上がるふたりを指差した。
「黄色に赤……すごい格好してるね、ふたりとも」
「はっさ! なに言うか、姉ェネェよー」
と美波ちゃんがこれまた黄色のスーツケースをドンと足元に下ろして、得意気に笑った。
「知らんの?」
「へ?」
「メンバーにはそれぞれイメージカラーがあるんだしさ」
「イメージ、カラー?」
「やさ。ニノちゃんはキイルー、ショウくんはアカーなんだしさ」
カウンターの中に戻った宏子さんが「なるほどねー」と頷く。
そっか。
だから、ふたりともそれぞれのカラーを取り入れた奇抜な格好なのか。
にしても、この格好で沖縄から来たのだろうか。
「でさ、早速やしが、くりお願いさびら。あ、ケイちゃんのもね」
と美波ちゃんが自分とケイちゃんのスーツケースをあたしの方へずいっと滑らせる。
「コンサート終わったらまたここに戻って来るからさ」
「はいはい、確かに。お預かりします」
2台のスーツケースを受け取ると、ケイちゃんがぺこっとおじきをした。
「ご迷惑おかけするけん」
「全然迷惑じゃないよ、気にしないで」
「すみません」
ケイちゃんは親しみやすく、本当にいい子だった。
そのケイちゃんが意味深な発言をしたのは、美波ちゃんがトイレに行っている時だった。