恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
肉じゃが
それから、あたしと潤一は急速に距離を縮めていった。
不思議でたまらなかった。
一度だけ。
たった一度体を重ねただけなのに、不思議なほど気持ちが通じ合ってしまったのだ。
あの日以来、あたしは潤一のアトリエに足を運ぶようになった。
一緒に写真を眺めて話をして、ご飯を食べる。
それだけであたしの心は不思議なほど満たされた。
あの夜のたった一度だけで、潤一はあたしに手を出してこなかったけど、ただ一緒にいるだけでなぜか妙に居心地が良かった。
潤一はバイトを3つ掛け持ちして資金を稼ぎ始め、あたしはトルテの店長になり、小春はチーフとして、それぞれが忙しい毎日を送った。
時々、堀北さんがみんなを集めて、あたしと小春と潤一の4人で飲みに行ったりした。
互いが休みの時は決まって潤一のアトリエでゆっくり過ごし、冬が終わり、東京もまた桜の季節を迎えた。
そして、潤一がふらりと旅に出たのはその年の秋だった。
表参道の銀杏並木が金色に輝いた日、アトリエに行くと鍵が掛かっていた。
今日は何のバイトだったっけ、なんていつものように中で待っていようと合い鍵でドアを開けて入ると、テーブルに置き手紙があった。
不思議でたまらなかった。
一度だけ。
たった一度体を重ねただけなのに、不思議なほど気持ちが通じ合ってしまったのだ。
あの日以来、あたしは潤一のアトリエに足を運ぶようになった。
一緒に写真を眺めて話をして、ご飯を食べる。
それだけであたしの心は不思議なほど満たされた。
あの夜のたった一度だけで、潤一はあたしに手を出してこなかったけど、ただ一緒にいるだけでなぜか妙に居心地が良かった。
潤一はバイトを3つ掛け持ちして資金を稼ぎ始め、あたしはトルテの店長になり、小春はチーフとして、それぞれが忙しい毎日を送った。
時々、堀北さんがみんなを集めて、あたしと小春と潤一の4人で飲みに行ったりした。
互いが休みの時は決まって潤一のアトリエでゆっくり過ごし、冬が終わり、東京もまた桜の季節を迎えた。
そして、潤一がふらりと旅に出たのはその年の秋だった。
表参道の銀杏並木が金色に輝いた日、アトリエに行くと鍵が掛かっていた。
今日は何のバイトだったっけ、なんていつものように中で待っていようと合い鍵でドアを開けて入ると、テーブルに置き手紙があった。