恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】
気まずいとはまた少し違う不自然な空気だった。
あたしたちの空間には10年という空白がぎこちなく漂っていた。
1、2年とはわけが違う10年。
この10年、あたしは東京で海斗は那覇で生きてきた。
当然だけど、共通の話題が見つからない。
何をどう切り出し、それをどう広げたらいいのか見当もつかない。
あたしたちがそれぞれ歩んできたこの10年という歳月はあまりにも違い過ぎていたのだ。
あたしたちはとりあえずシャンパンと、サラダやピザなどを注文した。
ほどなくしてテーブルに美味しそうな料理が並び、乾杯をしても会話はぎこちなく、ただ時間ばかりが過ぎていく。
正面に座り、シャンパンを飲む海斗はまさに絵に描いたような好青年で。
真っ黒な瞳はあの頃のままミステリアスだし、大きな変化はないけど。
もう、明らかに全てが違っていた。
あたしは10年という歳月を甘く見ていたのかもしれないと後悔しながらシャンパンを啜った。
淡い水色のカラーワイシャツも、お洒落なデザインのネクタイも。
スーツを完璧に着こなせるほど大人になってしまった海斗にはもう、同時の面影さえ感じられなかった。
まるで、知らない人だった。
あたしたちの空間には10年という空白がぎこちなく漂っていた。
1、2年とはわけが違う10年。
この10年、あたしは東京で海斗は那覇で生きてきた。
当然だけど、共通の話題が見つからない。
何をどう切り出し、それをどう広げたらいいのか見当もつかない。
あたしたちがそれぞれ歩んできたこの10年という歳月はあまりにも違い過ぎていたのだ。
あたしたちはとりあえずシャンパンと、サラダやピザなどを注文した。
ほどなくしてテーブルに美味しそうな料理が並び、乾杯をしても会話はぎこちなく、ただ時間ばかりが過ぎていく。
正面に座り、シャンパンを飲む海斗はまさに絵に描いたような好青年で。
真っ黒な瞳はあの頃のままミステリアスだし、大きな変化はないけど。
もう、明らかに全てが違っていた。
あたしは10年という歳月を甘く見ていたのかもしれないと後悔しながらシャンパンを啜った。
淡い水色のカラーワイシャツも、お洒落なデザインのネクタイも。
スーツを完璧に着こなせるほど大人になってしまった海斗にはもう、同時の面影さえ感じられなかった。
まるで、知らない人だった。