だから放っておけねーんだよ。
私は誰もいない体育館裏に大山さんを連れて行った。
「えっと…きょ、今日は…?」
私は大山さんの顔色を伺いながら尋ねた。
ひょっとして、私のこと怒ってる?!
私が旭に言いたい放題言ったから?!
どどどど、どうしよう…
「ええっと、その……なんか…ごめ…」
「ごめんなさい!」
私が謝る前に、大山さんが頭を下げた。
「えっ…ちょっ…か、顔あげてよ…!」
どうして大山さんが謝るの?
「…私知ってたの。全部。」
「知ってた…?」
「旭を好きになったのはちょうど…入学式の後だったかな…。たまたま見かけて。」
大山さんは、体育館裏の階段に座って話し始めた。
「最初見た時、本当にこの人の彼女になりたいって思った。
でも旭すごい人気だし、きっと片思いで終わるんだろうな〜って思ってたの。
でも…どんどん募る気持ちが抑えきれなくて。言うだけ言ってみようって思ったんだ。」
そう…だったんだ。
「でも、その時の私は知ってた。旭には他に好きな子がいるって。」
「えっ?好きな子…?」
いたっけ…そんな人。
「旭は…葉月ちゃんが好きなんだよ。」
「……え?」
ど、どういうこと…
旭が私を?
信じらんない。