だから放っておけねーんだよ。
これ以上にラッキーなことはない。
大嫌いだった短距離走にも出ずに済むし、なにしろラクな種目だけ選べばいいのだから。
黒板にずらっと種目名と人数が書かれる。
どれにしようかな〜。
「葉月、決めた?」
隣の席の琳が私に尋ねた。
「ううん、まだ。ラクなのどれかな〜」
「色別リレーは?あ、障害物競争とかいいかも!でも王道、借り物競争も捨てがたい。」
「わ〜…すごいね。私、そんなの出たらみんなのひんしゅくを買うよ。」
「そうかな?ラクなのねぇ……あ、綱引きは?」
「あ、それいい。それにしよっと。」
決定!綱引き、何でラクな競技だろう…!
とにかく私は、団体競技というものが嫌い。
私がミスをしたらみんなに迷惑がかかるから。
でも綱引きは、誰の失敗とかそんなの関係ない!
素晴らしい!私にぴったり!