だから放っておけねーんだよ。







私は旭をチラ見する。






旭はちょっと緊張してるように見えた。






それもそのはず。







旭はもし青組優勝したとき、優勝旗を受け取る係に任命されていたから。






あいつの見慣れない横顔に、こっちまで緊張する。







てか、まだ優勝って決まったわけじゃないけど…







「優勝旗、返還。昨年度優勝、紅組。返還するのは応援団長の宮路さんです。」







返還…ってことは次が結果発表?







いよいよだぁ。







紅組応援団長が前に出て、優勝旗を返還した。







「結果発表。各組の係になっている応援団員は前に出てきてください。」







旭が駆け足で前に出る。







「結果を発表します。」







校長先生がマイクに向かって言い、しばらく間が空いたあと








「…優勝は、」








お願い…!








私だけでなく青組みんなが心の中でそう、手を合わせていたはず。








結果は…?








「優勝は、紅組です!」








「よっしゃああああーー!」







紅組がわっとざわめいた。







紅組みんな、ハチマキを投げている。







旭を見ると、少し残念そうな顔をして空中を舞う赤いハチマキを眺めていた。







…旭…そんな顔しないでよ。







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