だから放っておけねーんだよ。








私と旭は学校の帰り道、近所の公園に立ち寄った。







ベンチに座って、クレープを開ける。








「葉月、イチゴ。はい、あーん。」








旭がイチゴを差し出す。








「あーん…ってする訳ないでしょ!!」








「照れんなって。」







「うるさいわ!」







あーんだなんて恥ずかしい。








「あ!あれってまだ残ってるかな…」







「あれって?」








私は昔二人で作った秘密基地に置いておいた、泥だんごを探した。








「何探してんだよ?」







「泥だんご!覚えてない?」







「え、そんなの残ってるかよ。」







旭、忘れちゃった?







小学4年生のとき、この泥だんごを大人になってから見つけられるようにって置いておいたの。







残ってるか分からないけど。







「やっぱりないのかな〜……あ!あった!あったよ、旭!!」








その思い出の泥だんごは奇跡的に残っていた。







もう砂の塊と化していたけど、確かに私たちの泥だんごだ。








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