だから放っておけねーんだよ。
学校のテニスコートに着くと、寒空の下、旭が一人でサーブ練習をしていた。
こんな寒いのによくやるよね…
「旭!」
「おー、おせぇぞー。」
「ていうか、寒い!!なんでこんな年末に…」
「年末だからお前を呼んだんだよ。」
なるほどね。年末はみんな忙しい。
長い付き合いの私だったら気兼ねなく呼び出せるって訳ね。
なんかそれもロマンがなくて残念なんだけど。
「お前、縮こまってないでやるぞ。ほら、ラケット。」
「ありがと。」
私は旭からラケットを受け取り、旭の反対側のコートに回った。