だから放っておけねーんだよ。
「むー…むー……」
む がつくものが思い浮かばない。
考えている間にもボールはどんどん近づいている。
「む…あ、むし!」
「しらす」
旭は私のふわふわしたボールも、きっちり受け止めて返した。
す…す…
そのとき、一つの言葉が浮かんだ。
ずっと、こいつの気持ちばっかり気にしてた。
きっと叶わない。
気持ちを伝えても、あいつには届かないかもしれない。
でも、言いたい。
思いっきり、自分の言葉で旭が好きだと伝えたい。