だから放っておけねーんだよ。







「あはは。本当仲良しだよね。」







「ほんと、それ。」







通りがかりに知らない女の子たちに笑われてしまった。







「ちょっと恥ずかしいからやめてよね!」







私は旭をどついた。







「いった!お前、ほんと力強すぎ。ほんとに女かよ?」







「もういい!私、教室帰る!」







プイと旭に背を向けていこうとした時、段差があることを忘れてグラッと身体が傾いた。







倒れる!そう思った時、ガシッと大きな腕に包まれた。







「おい。じっとしてろ。」






抱きしめられたまま、旭の顔がどんどん近づいてくる。







………え!?こ、こんなところで…き、す?








や、やだよ!恥ずかしいって!






力強い腕に抱きしめられて身動きが取れない。







「………っ!」







「はい、取れた。」






「………へ?」






旭が私の目の前に突き出してきたのは、糸くず。







あ、あははははははは。そ、そうよね…。







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