だから放っておけねーんだよ。







「あのさ、葉月ちゃん」






「はい?」







夕日に照らされる道。






二つ並ぶ影。






誰もいない路地裏にさしかかったところで、先輩がおもむろに口を開いた。






「…好きな人とかっているの?」







「えっ!や、やだなぁ先輩。いませんよ。」






とは言いつつも、急な質問に若干たじろぐ。







「そう?それならよかった。」






「…どうしたんですか?急に。」







「ううん。もし葉月ちゃんに好きな人がいたら、必然的に俺が諦めなきゃだなーって思って。」






先輩…まだ私のこと好きでいてくれるんだ。







先輩の言葉に少し心が弾んだ。






< 86 / 304 >

この作品をシェア

pagetop