蝉鳴く季節に…
怖く、なってた。
どうしてなんだろう。
ただ指先が冷たいってだけなのに、私はどうしてこんなに不安で、怖くなっているんだろう。
よくわからない……わからないから………怖い。
冷たい杉山くんの手を、私は握りしめていた。
不安で、不安で…。
両手で包んで、握りしめて、温かくなれって祈ってた。
「水谷、どうしたの?」
「…ううん」
「何かあった?」
「ううん」
声は温かいのに、言葉には体温を感じるのに……。
「…しばらく、こうしていてもいい?」
杉山くんの手を握りしめながら聞いた。
「水谷がそうしたいならいいよ」
杉山くんは笑った。
笑いながら、私の手をそっと優しく、握り返してくれた。
冷たい…手……。
杉山くんは、天井に視線を移し、ゆっくりと深呼吸をしている。
それからまた私に視線を戻して、少し……淋しそうに笑った。
「水谷の手、温かいな」
「……温かい?」
「うん、どうして温かいんだろうな」
.
どうしてなんだろう。
ただ指先が冷たいってだけなのに、私はどうしてこんなに不安で、怖くなっているんだろう。
よくわからない……わからないから………怖い。
冷たい杉山くんの手を、私は握りしめていた。
不安で、不安で…。
両手で包んで、握りしめて、温かくなれって祈ってた。
「水谷、どうしたの?」
「…ううん」
「何かあった?」
「ううん」
声は温かいのに、言葉には体温を感じるのに……。
「…しばらく、こうしていてもいい?」
杉山くんの手を握りしめながら聞いた。
「水谷がそうしたいならいいよ」
杉山くんは笑った。
笑いながら、私の手をそっと優しく、握り返してくれた。
冷たい…手……。
杉山くんは、天井に視線を移し、ゆっくりと深呼吸をしている。
それからまた私に視線を戻して、少し……淋しそうに笑った。
「水谷の手、温かいな」
「……温かい?」
「うん、どうして温かいんだろうな」
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