蝉鳴く季節に…
だから私も、前向きになろうって感じたんだよ。



未来と自分を信じて、頑張ろうって思ったんだよ。






その過程の中に、杉山くんの存在があるなら、もっと頑張れるんじゃないか。






そう………信じていたの。









ねぇ、杉山くん。


今、どこにいる?



みんな泣いているよ?






杉山くんが笑えば、みんな泣き止んでくれるよ?





ねぇ、出て来ないの?


出て来て、何みんな泣いてんだよって笑わないの?








どこにいるの?








私、まだ覚えきれていないんだよ。



杉山くんの笑顔も、声も、温かさも、優しい言葉も。



まだ、全て覚えきれていないんだよ?




もっと見ていたかったんだよ?









なのに、ひどいよ。



何にも言わないで、どこに行ったの?


どこに行くの?








杉山くん。



私はこれから、どうすればいいのかな?







わかんないの。



どうすればいいのか、わかんないの。


何もわかんないんだよ。






杉山くんがいない明日を、どう過ごせばいいのかわからないんだよ。







毎日、会いに行くつもりでいたの。


夏休みは、毎日…杉山くんに会いに行くんだって。






だから、わかんないんだ。

あなたがいないと、わからないんだよ。










ただわかるのは、渇いていく自分自身。

枯れそうな自分。



泣けば潤うのかな?
< 114 / 131 >

この作品をシェア

pagetop