蝉鳴く季節に…
「ありがとう、わざわざ届けてくれて。えと…」
「水谷です…水谷千秋」
「うん、水谷さん。ありがとう」
彼が笑った。
私をまっすぐに見つめ、笑った。
不思議だった。
私も、自然と笑えてた。
それが、杉山夏生との出会い。
病室の窓、見える中庭に立つポプラの木。
緩い風に揺れる、細い枝。
蜃気楼みたいに漂う景色の中、蝉が鳴いてた。
まるで、私の中にある何かを覚醒させるかの様に……蝉が……鳴いてたんだ…。
「水谷です…水谷千秋」
「うん、水谷さん。ありがとう」
彼が笑った。
私をまっすぐに見つめ、笑った。
不思議だった。
私も、自然と笑えてた。
それが、杉山夏生との出会い。
病室の窓、見える中庭に立つポプラの木。
緩い風に揺れる、細い枝。
蜃気楼みたいに漂う景色の中、蝉が鳴いてた。
まるで、私の中にある何かを覚醒させるかの様に……蝉が……鳴いてたんだ…。