蝉鳴く季節に…

たくさんの学びをありがとう。



優しさをありがとう。



勇気をありがとう。



安らぎをありがとう。



励みをありがとう。










そして………生まれてきてくれて…私と出会ってくれて、ありがとう。












杉山くん。




あなたの心は、意思は、私の中で育てていくよ。



枯らす事無く、育てていくから。







頑張るから。


私、頑張れるから。








自分の力を信じて、歩いていくから。







あなたの代わりに、明日を瞳に映して生きてくから。















出会ってくれて、本当にありがとう。










杉山くん。




大好きだよ。














歩き出した私の瞳に、街路樹にしがみつく蝉の姿が飛び込んできた。


歩を止め、見上げる。







小さな身体を震わせながら、懸命に鳴く命。










「…油蝉」









指差し、笑った。




笑いながら、私は再び歩き出した。