蝉鳴く季節に…
ねぇ、杉山くん。
私、頑張ってるよ。
明日を信じて、頑張ってる。
頑張らなきゃ、前には進めない。
諦めない勇気を、杉山くんから学んだんだ。
それを生かしていく事が、杉山くんの生きていた証になると思うから。
部屋の床に座り、再び手を動かし始めた私の視界に、一冊の本が止まる。
エメラルドグリーン色の表紙……。
“十二番目の天使”だ。
『俺のバイブルだね』
そう言って笑う、杉山くんの表情。
手に取り、指先で表紙を撫でた。
懐かしいな。
また読み返してみようか。
「千秋!新木さんが来たわよ」
階段下から叫ぶお母さんの声が、再び思い出に浸りかけた頭を現実に戻した。
「はぁい!」
返事をして立ち上がり、ドアに手をかける。
回す瞬間、いきなり開かれたドア。
「千秋、片付け進んだ?」
「びっくりした!いきなり開けないでよ」
「あ、ごめんな?お母さんが部屋にいるって言うからさ」
新木くんは、肩をすくめて笑った。
私、頑張ってるよ。
明日を信じて、頑張ってる。
頑張らなきゃ、前には進めない。
諦めない勇気を、杉山くんから学んだんだ。
それを生かしていく事が、杉山くんの生きていた証になると思うから。
部屋の床に座り、再び手を動かし始めた私の視界に、一冊の本が止まる。
エメラルドグリーン色の表紙……。
“十二番目の天使”だ。
『俺のバイブルだね』
そう言って笑う、杉山くんの表情。
手に取り、指先で表紙を撫でた。
懐かしいな。
また読み返してみようか。
「千秋!新木さんが来たわよ」
階段下から叫ぶお母さんの声が、再び思い出に浸りかけた頭を現実に戻した。
「はぁい!」
返事をして立ち上がり、ドアに手をかける。
回す瞬間、いきなり開かれたドア。
「千秋、片付け進んだ?」
「びっくりした!いきなり開けないでよ」
「あ、ごめんな?お母さんが部屋にいるって言うからさ」
新木くんは、肩をすくめて笑った。