蝉鳴く季節に…
「あ…千秋、以外って顔してない?」
「え?そんな事〜…」
ホント、敏感。
「この本から、諦めない勇気を貰ったんだ。俺のバイブルの一つ」
「…………え」
『俺のバイブルだね』
「………杉山…くん」
同じだ。
新木くん、同じ事……。
「どしたの?千秋」
本から顔を上げ、新木くんは首を傾げてる。
「え…ううん……昔、同じ事を言った人がいたから…びっくりして」
「杉山くん?」
「え?!」
「千秋、そう呟いてたよ」
あ………声に出てたんだ。
「昔の恋人?」
「恋人では無かったけど……好きだった人」
「ふぅん」
すねた様に唇をとがらせ、新木くんはうなづいた。
うなづきながら、エメラルドグリーン色の表紙を勢いよく閉じた。
「ま、いっか!」
「え?」
詳しく聞かれるのかなと構えていた私に、新木くんは満面の笑顔を向ける。
「いんじゃない?好きだったってはっきり言えるのは、実りある付き合いをした証だしさ」
「え?そんな事〜…」
ホント、敏感。
「この本から、諦めない勇気を貰ったんだ。俺のバイブルの一つ」
「…………え」
『俺のバイブルだね』
「………杉山…くん」
同じだ。
新木くん、同じ事……。
「どしたの?千秋」
本から顔を上げ、新木くんは首を傾げてる。
「え…ううん……昔、同じ事を言った人がいたから…びっくりして」
「杉山くん?」
「え?!」
「千秋、そう呟いてたよ」
あ………声に出てたんだ。
「昔の恋人?」
「恋人では無かったけど……好きだった人」
「ふぅん」
すねた様に唇をとがらせ、新木くんはうなづいた。
うなづきながら、エメラルドグリーン色の表紙を勢いよく閉じた。
「ま、いっか!」
「え?」
詳しく聞かれるのかなと構えていた私に、新木くんは満面の笑顔を向ける。
「いんじゃない?好きだったってはっきり言えるのは、実りある付き合いをした証だしさ」