蝉鳴く季節に…
私、まだ変われるかな?

聞いてみたくて……。





きっと杉山くんは、変われるよって言ってくれる。









声が、言葉が欲しいんだ。




杉山くんの声は、言葉は、私に新しい力を与えてくれる。

また一歩前進して、変われるかもしれない。




また頑張ろうって、思えるんだ。












七〇五号室。


少し開いたドアの前に立ち、深呼吸。

落ち着かなきゃ、訳わからない話をしだしそうな気がした。



落ち着きを半分くらい取り戻した所で、私はドアを軽く押した。

隙間から、いつもの様にそっと顔を覗かせる。














………あれ…。










中には、杉山くんがいた。




杉山くんと………女の子。







心臓が、止まる前兆かの様に早くなっていくのがわかった。









誰だろ………。








女の子は、紺色のワンピースタイプの制服を着ていた。




あの制服知ってる…。



キリスト教系の私立女子高のだ。

大学附属で、かなりランク高い学校。








……ふと、自分が着ている公立高校の制服が、やけにみすぼらしく感じてしまっていた。







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