蝉鳴く季節に…
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家に帰って、泣いた。


何時間泣いたかわからない。


ただ、ご飯も食べずに部屋に閉じこもり、ひたすら泣いてた。







私…何でこんなに泣いてるんだろう。








杉山くんとは、何にも無い。

特別な事なんて何にも無い。

望んでもいなかったよ。







ただ、話がしたかったんだ。

励ましてもらいたかったの。
褒めてもらいたかったの。




自信の無い私に、学びを与えてくれた人だから……。




杉山くんが大丈夫って言えば、大丈夫って思えた。
頑張れって言ってくれれば、力が湧いた。



変われるよって言葉だけで、私は変われたんだ。

杉山くんと会ってから八日で、こんなに変われたんだよ。






杉山くんの声や言葉は、私にとっては魔法みたいだったの。
変化できるおまじないみたいだったの。




心に風が通り抜けるみたいに、すうっと入ってきていたんだ。








話ができるだけで良かった。




それだけ。




それだけの筈なのに………。







涙が止まらないんだよ。




いい加減にしてよって叫びたくなるくらい、止まらないんだ。
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