蝉鳴く季節に…
「千秋はすぐに一人で抱え込むからさぁ。話して全て解決できる訳じゃないとは思うけど、あたしは聞く事しかできないかもしれないけど、話す事で楽になれるのはホントだよ?」






杉山くんと会ってた事を、梨絵や恭子に内緒にしておこうって気持ちは無かった。


でも、どう話していいかわからなかった。


結果、黙っていたのは事実だよね。







話していいのかな……。
話してみようか?



こんなに心配して来てくれたんだもん……。
梨絵や恭子の事は信用してる。




意気地無しの私を、友達としてずっと見守ってくれていた梨絵。




ありがとう………。









「あのね……梨絵…」










私は、杉山くんと会っていた事を話した。



病院に行っていた事。
励まして貰っていた事。
たくさん話をしたくて行っていた自分の気持ち。



そして、病室で見た女の子の事も。






案の定、梨絵は驚いてた。

驚いていたけど、私の話を否定しないで聞いてくれていた。







「千秋が杉山をねぇ…」

うんうんと、納得する様に頷く梨絵。



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