蝉鳴く季節に…
そう簡単に霞む訳ないのに、杉山くんの中で霞んでいるかもしれないなんて、根拠の無い不安を抱いたりして……。
落ち着かなかった。
誰かが今、行って来いって言ったら、私はきっとフリスビーを取る犬みたいに無我夢中で走るに違いない。
杉山くんに会いに行くに違いない。
自分で決めた事を貫くって、強い意思が必要なんだね。
そうして、六日くらい過ごした頃だと思う。
放課後に教室で恭子と話してた私の前に、部活途中のユニフォーム姿の梨絵が飛び込んできた。
「千秋っ!!」
梨絵の表情は、追い詰められている様に焦ってる。
そのまま走り寄って来た梨絵は、私同様に呆気にとられる恭子の前で、座る私の腕を掴んで立たせた。
「どうしたの?梨絵」
梨絵はグラウンドから走って来たらしく、弾む息を整えながら話す。
「千秋…今すぐ杉山んトコに行って!」
「………え?」
何?
「だって……私…」
「いいからっ!!とにかく行ってよ!」
どうしたんだろ。
梨絵がこんなに強引になってるなんて…。
落ち着かなかった。
誰かが今、行って来いって言ったら、私はきっとフリスビーを取る犬みたいに無我夢中で走るに違いない。
杉山くんに会いに行くに違いない。
自分で決めた事を貫くって、強い意思が必要なんだね。
そうして、六日くらい過ごした頃だと思う。
放課後に教室で恭子と話してた私の前に、部活途中のユニフォーム姿の梨絵が飛び込んできた。
「千秋っ!!」
梨絵の表情は、追い詰められている様に焦ってる。
そのまま走り寄って来た梨絵は、私同様に呆気にとられる恭子の前で、座る私の腕を掴んで立たせた。
「どうしたの?梨絵」
梨絵はグラウンドから走って来たらしく、弾む息を整えながら話す。
「千秋…今すぐ杉山んトコに行って!」
「………え?」
何?
「だって……私…」
「いいからっ!!とにかく行ってよ!」
どうしたんだろ。
梨絵がこんなに強引になってるなんて…。