蝉鳴く季節に…
13
病院へと走る道、いつもと同じ道なのに、すごく遠く感じる。
走って歩いて、また走り出して…痛くなる脇腹を押さえながら汗だくで走った。
制服のシャツが、短いスカートが、身体に汗で絡み付く。
肩までのセミロングの髪が、濡れた頬に張り付く。
そんなのどうでもいい。
どうでもいいの。
走らなきゃ。
今は走りたいから。
杉山くん…杉山くん……。
私ね、ホントはね?
自分で否定していただけだったんだ。
違うよって、そうじゃないよって言ったりして……素直になれなかっただけだったんだ。
ホントはね……長谷川くんと付き合えないのにも、しっかりとした理由があったんだ。
………ねぇ、杉山くん。
こんなに意気地無しな私に…自信の無かった私に…あなたは一番温かい気持ちを教えてくれたんだよ。
ただそれだけで、幸せになれるその気持ちをね、一言で表現できる言葉があるんだよ?
簡単なのに、難しい言葉。
二文字だけど、綺麗な言葉。
杉山くん……それはね?
その言葉はね………。
.
走って歩いて、また走り出して…痛くなる脇腹を押さえながら汗だくで走った。
制服のシャツが、短いスカートが、身体に汗で絡み付く。
肩までのセミロングの髪が、濡れた頬に張り付く。
そんなのどうでもいい。
どうでもいいの。
走らなきゃ。
今は走りたいから。
杉山くん…杉山くん……。
私ね、ホントはね?
自分で否定していただけだったんだ。
違うよって、そうじゃないよって言ったりして……素直になれなかっただけだったんだ。
ホントはね……長谷川くんと付き合えないのにも、しっかりとした理由があったんだ。
………ねぇ、杉山くん。
こんなに意気地無しな私に…自信の無かった私に…あなたは一番温かい気持ちを教えてくれたんだよ。
ただそれだけで、幸せになれるその気持ちをね、一言で表現できる言葉があるんだよ?
簡単なのに、難しい言葉。
二文字だけど、綺麗な言葉。
杉山くん……それはね?
その言葉はね………。
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