蝉鳴く季節に…
「私…明日も来るから」

「おう」

「明後日も明々後日も来るから」

「おう」

「夏休みになっても、毎日来るから」

「望む所だ」
















杉山くん。


私はね?
ホントにね?



あなたがこの世にいて、呼吸をしていてくれる事が、それだけが望みだったの。



あの時ね、心から思ったんだよ?








“生きていてくれてありがとう”










ねぇ、杉山くん。




あの時にはもう、残された時間はわすかだったんだよね?



あなたは多分、それを知っていた。






知らなかったのは私だけ。





それも、あなたの優しさだったのかもしれない。









“夏休みになったら、毎日来る“










時間は……私達に…そこまで親切じゃなかったね。












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