蝉鳴く季節に…
3
杉山夏生の病室は、七階にあるらしい。
七〇五号室。
病院に着いた私は、紙袋を右手に持ちかえて、エレベーターへと乗り込む。
紙袋の中身は参考書。
これが結構重い。
何でも、杉山夏生が勉強の遅れを気にしていて、世話好きな濱田先生が担当教科の先生達に頼んで、参考書を集めたらしい。
それなのに、自分は部活を見なきゃいけないから行けない。
けど早く渡してあげたいからなんて、濱田先生も人任せもいいとこだよ。
当然、梨絵と恭子も一緒してくれるかなと思ったら…。
梨絵は部活、恭子は彼氏と約束あるからなんて。
で、私一人。
心細いなぁ。
しかし杉山夏生…入院してまで勉強したいなんて物好き。
私なら一日中寝てるよ。
案外、堅そうな真面目くんなんじゃない?
考えている内に、エレベーターは七階に停まった。
紙袋を持ち直し、フロアに降りる。
ドキドキしてた。
期待と好奇心。
病室のプレートを確認しながら廊下を歩く。
七〇二……七〇三………あ、あった。
【七〇五号室 杉山夏生】
……着いちゃった。
七〇五号室。
病院に着いた私は、紙袋を右手に持ちかえて、エレベーターへと乗り込む。
紙袋の中身は参考書。
これが結構重い。
何でも、杉山夏生が勉強の遅れを気にしていて、世話好きな濱田先生が担当教科の先生達に頼んで、参考書を集めたらしい。
それなのに、自分は部活を見なきゃいけないから行けない。
けど早く渡してあげたいからなんて、濱田先生も人任せもいいとこだよ。
当然、梨絵と恭子も一緒してくれるかなと思ったら…。
梨絵は部活、恭子は彼氏と約束あるからなんて。
で、私一人。
心細いなぁ。
しかし杉山夏生…入院してまで勉強したいなんて物好き。
私なら一日中寝てるよ。
案外、堅そうな真面目くんなんじゃない?
考えている内に、エレベーターは七階に停まった。
紙袋を持ち直し、フロアに降りる。
ドキドキしてた。
期待と好奇心。
病室のプレートを確認しながら廊下を歩く。
七〇二……七〇三………あ、あった。
【七〇五号室 杉山夏生】
……着いちゃった。