蝉鳴く季節に…
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そうして訪れた、終業式の日。
明日から夏休みだと浮かれる教室を後にし、私は病院へと向かう。
夏休みになったら、いつもよりも長く杉山くんといれる。
たくさん話をして、たくさん笑って、そうして過ごしたい。
早く杉山くんの病気が治る様に、毎日行って楽しい話をするんだ。
杉山くんが淋しくない様に、悲しくならない様に。
私は上手な励ましの言葉はわからないけれど、そばにいる事はできるから。
杉山くん、元気になってくれるかな?
私、杉山くんとしたい事がたくさんある。
行きたい所もあるの。
いっぱいいっぱいあるの。
杉山くんが走る姿も見たい。
汗をたくさんかいて、蜃気楼になるくらいに走る姿が見たいんだ。
夏の盛り、大きな空。
まだ陽が高い昼前、熱気にあてられた様に、蝉が鳴いていた。
杉山くんが言ってた。
蝉は八年土に潜り、ひと夏の太陽を浴びる為に出てくるんだって。
それを聞くまで、私は蝉が苦手だった。
でも今は、その狂う程の高い声が、眩しくさえ感じる。
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明日から夏休みだと浮かれる教室を後にし、私は病院へと向かう。
夏休みになったら、いつもよりも長く杉山くんといれる。
たくさん話をして、たくさん笑って、そうして過ごしたい。
早く杉山くんの病気が治る様に、毎日行って楽しい話をするんだ。
杉山くんが淋しくない様に、悲しくならない様に。
私は上手な励ましの言葉はわからないけれど、そばにいる事はできるから。
杉山くん、元気になってくれるかな?
私、杉山くんとしたい事がたくさんある。
行きたい所もあるの。
いっぱいいっぱいあるの。
杉山くんが走る姿も見たい。
汗をたくさんかいて、蜃気楼になるくらいに走る姿が見たいんだ。
夏の盛り、大きな空。
まだ陽が高い昼前、熱気にあてられた様に、蝉が鳴いていた。
杉山くんが言ってた。
蝉は八年土に潜り、ひと夏の太陽を浴びる為に出てくるんだって。
それを聞くまで、私は蝉が苦手だった。
でも今は、その狂う程の高い声が、眩しくさえ感じる。
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