意地悪上司の笑顔の裏は。
「曽根ちゃん、ちょっといいかな?」
コピーミスに地味にへこんでいると、後ろから声をかけられた。
げっ、佐川課長。
彼はここ庶務課の課長だけれど、私はちょっと苦手だ。会うと必ず舐め回すように見てくるし、何故かあだ名で呼んでくるところもちょっと怖い。
「は、はい。なんでしょうか…」
「今日は取引先と会うんだけど、君も一緒にどう?」
取引先ってどこやねん。
思わず声に出しそうになったけれど、すんでのところで抑える。
最近誘い方が強引になってきたように感じるのは、気のせい?
こういう時ってどうすればいいのかな。
断ったらダメなお誘いかもしれないし、役職者だし、結構気を遣う。
ちょっとだけ顔を出して帰ることは出来るのかな。気軽な気持ちで一回行ってみたら、意外ともう誘われないかも!