では、同居でお願いします
「ちょ……ちょ……」

絶句してそれ以上言葉が出てこない。
唖然とする私に、裕哉はにっこりと笑顔を向けながらのたまった。

「おばさんたちも、一緒に住んでくれるなら安心だって。大丈夫だよ」

「まっ……」

(待って! 何がどうなって……!)

びっくりしすぎて言葉が出ない私に構わず、裕哉はまた誰かと通話を始める。

「裕哉です。ああ、こっちは変わりない。母さんも変わりない? ところで海音ちゃんの件だけど――」

(今度は叔母さんにかけてる!?)

うん、じゃあね、と通話を切った裕哉が、爽やかに告げた。

「うちの親にも了解とったし、これで問題ないね。明後日の日曜日に、荷物運ぼうか」

(えええ!!)

仕事をしている裕哉は有能で決断が早い。
周囲の社員たちも、若い社長に一目置いて尊敬していることはたった半月しか働いていない私にもヒシヒシと感じられる。

そう、とても実行力がある。

「って、実行力ありすぎにも程があるでしょう!!」

思わず叫んでしまっていた。

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