では、同居でお願いします
諸岡さんまで巻き込んでの失態とは、一体なんなのだろう。

平静を装っているけれど、心臓は破裂しそうだ。

諸岡さんがガチャリと社長室の扉を閉めた。

その音はまるで処刑台のギロチンが落ちた音のように聞こえていよいよ私は覚悟をする。

(この重たい空気……相当なことだよね)

身に覚えはないが、何かとんでもないことをしでかしたのであれば、これはクビを覚悟しなければいけないかもしれない。

緊張で指先まで冷えている。

私のとなりで足を止めた諸岡さんが、口火を切った。

「社長、改めて申し上げます」

向かいあって立つ裕哉の眉が跳ね上がる。

何を言われるのか、どんな処分が行われるのか、私はただ固唾を呑んで立ち尽くすばかりだ。


「私と井波さんは、お付き合いをすることになりました」


唐突に斬り込んだ諸岡さんの言葉に私は盛大に驚き、思わぬほど大きな声を上げてしまった。


「えええ!?」


ビックリしすぎて、軽くのけぞった。
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