では、同居でお願いします
「今、決まった。社内恋愛禁止」
「往生際が悪いです。粘りの柳井と言われていた先輩ですが、これは粘りというよりは悪あがきです」
(裕ちゃんにも二つ名が!! いやいや、驚くべきところはそこではなく、諸岡さん、裕ちゃんのことを先輩って言わなかった?)
諸岡さんは裕哉より一つ年下とは聞いていたけれど、もしかして、会社に入る前から知り合いだったのだろうか。
諸岡さんも他の社員と同じように、普通に入社して秘書課に配属されただけだと思っていたので、入社の経緯など詳しく尋ねたことはない。
「でも……仁、ずるい」
「ずるいとか子どもですか」
(この人、私生活はほぼ子どもですよ)
つい合いの手を入れたくなる。しかし二人のやり取りは私を置いてけぼりで続く。
「大体、先輩は学生時代からいつも部活のことでフラれ続けてきたじゃないですか。それが今回、内海さんのお嬢さんとお付き合いできるとなれば、願ってもない条件。それを進めるべきじゃないですか」
「佐和乃さんとは……そういうんじゃないから」
「そういうもこういうも、内海名人はそのつもりでしょう? こんなに名誉なことはないですよ」
いつになく諸岡さんはぐいぐいと押しまくる。
「往生際が悪いです。粘りの柳井と言われていた先輩ですが、これは粘りというよりは悪あがきです」
(裕ちゃんにも二つ名が!! いやいや、驚くべきところはそこではなく、諸岡さん、裕ちゃんのことを先輩って言わなかった?)
諸岡さんは裕哉より一つ年下とは聞いていたけれど、もしかして、会社に入る前から知り合いだったのだろうか。
諸岡さんも他の社員と同じように、普通に入社して秘書課に配属されただけだと思っていたので、入社の経緯など詳しく尋ねたことはない。
「でも……仁、ずるい」
「ずるいとか子どもですか」
(この人、私生活はほぼ子どもですよ)
つい合いの手を入れたくなる。しかし二人のやり取りは私を置いてけぼりで続く。
「大体、先輩は学生時代からいつも部活のことでフラれ続けてきたじゃないですか。それが今回、内海さんのお嬢さんとお付き合いできるとなれば、願ってもない条件。それを進めるべきじゃないですか」
「佐和乃さんとは……そういうんじゃないから」
「そういうもこういうも、内海名人はそのつもりでしょう? こんなに名誉なことはないですよ」
いつになく諸岡さんはぐいぐいと押しまくる。