では、同居でお願いします
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二日前、裕哉から告白された日、食事をしながら色々と話してくれた。
彼女、佐和乃さんと付き合うことを条件に夕凪杯に出してもらってしまったから、なんとかお付き合いをしなければと努力しようとしたが、私が彼女の存在に気がつき部屋を出てしまい、その時になってこんな偽物の気持ちで付き合うのはいけないと思ったそうだ。
それでもすぐには彼女に伝えられずにいたところ、彼女にも忘れられない人がいることが判明し、お互いに時期を見て彼女のお父さんに付き合えないとの断りを言いに行こうと決めていた矢先だったそうだ。
だから、と裕哉は最後に言った。
「僕はずっと海音ちゃんだけが好きだったのに、義理を通して付き合うなんて考えてしまったなんて、本当に浅はかだったと思う。だから仁が僕と同じような理由で海音ちゃんと付き合おうと思うと言った時には、反対したし……大体、海音ちゃんが誰かと付き合うなんて許せなかったんだ」
言いながら裕哉は私をじっと見つめ、それからふっと瞼を閉じた。
「どうやら……独占欲が強いのかも。ごめん。海音ちゃんだけは、誰にも譲れない」
そんなことを平然と告げるから、私は息をするのも苦しくなり、食事の味も半分くらいわからなくなってしまっていた。